腐った妄想の掃き溜め。 slashの気が多分にあるので要注意。
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松下版。
ものすごくよく分かっていない状態で書いた。
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ものすごくよく分かっていない状態で書いた。
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秋だ。
食欲、勉強、読書、夜長、なんにせよ過ごしやすい季節だ。
良い季節だ。つまり、良い機会なのだ。
今こそ、家庭教師たる自分は行動しなければ。彼に足りないものを補えるよう、全力を尽くすのだ。
軽井沢は避暑地である。当然、秋の訪れも早い。
都市部ではまだ夏の名残があるようだが、彼の住居周辺の山々はリゾート地に相応しく見事な紅葉を見せ始め、上着無しで出歩くには涼しくなってきていた。
「で、一応聞いてやろう。そんな折りになんだって用も無しに外に出なきゃならないんだい」
机の前に座った少年はとりあえず面倒くさそうだ。そのせいで普段より一層偉そうである。
質問にしても、まあ聞いてはみたが余り興味もないので、この真面目だけが取り柄の男はなぜいつも同じ背広にネクタイなのかとどうでも良い疑問を覚えたりしていた。大体水玉はネクタイの柄としてどうなんだ?
「秋だからです。秋と言えばスポーツ、なのにあなたときたら毎日毎日やたらと部屋に篭るばかり。頭の教育が不要なのは納得しましたが、あなたくらいの年なら体の教育だって必要でしょう!」
「救世主はやたらと篭っておられるのではない。来るべき日のための備えをしていらっしゃるのだ」
「君も君だ。小学生は体を作る大事な時期。それを運動もさせず引きこもらせるばかりか毎晩の夜更かしまで!彼の将来に禍根を残す気か」
「む…!」
ネクタイ以外真面目な男は思考もまあまあ真面目ではあるらしい。相手が常識の範囲内の子供であれば、だが。
自分以外には強気な使徒が珍しく押され気味だ。自分のため、と言われると考えてしまうのは良いのやら悪いのやら。
なんにせよでこいつまで運動だなんだと言い出してはたまらないので助け船を出してやった。
「そこまで言うなら考えても良いが、馬鹿のように辺りを走ったり体操をしたりなんてのはごめんだ。何か案があるんだろうね」
「無論」
ネクタイ男は無闇に自信満々で言い放った。
「カバディです」
「…」
「体力、戦略の双方を必要とし、なおかつ無心にカバディと唱えることでヨガにも近い心の安定が」
「家ダ…佐藤」
「はい」
「根本的なところで質問がある」
「何でしょう」
「カバディは7対7、少人数でやるにしても5対5程度、計10名の競技者が必要だ」
「あ」
「…どう工面する気なんだい、と思ったが工面する気がなかったようだね」
「くっ」
「そもそも体格差が大きい者たち向きの競技じゃあないだろう。提案するならもう少しまともに考えてくることだね」
出口を指差せば阿吽の呼吸で蛙男がヤモリ候補を追い返しにかかる。
「とんだ時間の浪費だ」
意気消沈して母屋に戻る家庭教師を視界の端に見送って、邪魔の入った魔導書の解読を再開した。
まあ、12使徒が集まったら彼らと自分と、足りない分は父親でも入れてレクリエーションも良いかもしれない。
地上の楽園を築く途上の、ちょっとした気分転換にはなるだろう。
食欲、勉強、読書、夜長、なんにせよ過ごしやすい季節だ。
良い季節だ。つまり、良い機会なのだ。
今こそ、家庭教師たる自分は行動しなければ。彼に足りないものを補えるよう、全力を尽くすのだ。
軽井沢は避暑地である。当然、秋の訪れも早い。
都市部ではまだ夏の名残があるようだが、彼の住居周辺の山々はリゾート地に相応しく見事な紅葉を見せ始め、上着無しで出歩くには涼しくなってきていた。
「で、一応聞いてやろう。そんな折りになんだって用も無しに外に出なきゃならないんだい」
机の前に座った少年はとりあえず面倒くさそうだ。そのせいで普段より一層偉そうである。
質問にしても、まあ聞いてはみたが余り興味もないので、この真面目だけが取り柄の男はなぜいつも同じ背広にネクタイなのかとどうでも良い疑問を覚えたりしていた。大体水玉はネクタイの柄としてどうなんだ?
「秋だからです。秋と言えばスポーツ、なのにあなたときたら毎日毎日やたらと部屋に篭るばかり。頭の教育が不要なのは納得しましたが、あなたくらいの年なら体の教育だって必要でしょう!」
「救世主はやたらと篭っておられるのではない。来るべき日のための備えをしていらっしゃるのだ」
「君も君だ。小学生は体を作る大事な時期。それを運動もさせず引きこもらせるばかりか毎晩の夜更かしまで!彼の将来に禍根を残す気か」
「む…!」
ネクタイ以外真面目な男は思考もまあまあ真面目ではあるらしい。相手が常識の範囲内の子供であれば、だが。
自分以外には強気な使徒が珍しく押され気味だ。自分のため、と言われると考えてしまうのは良いのやら悪いのやら。
なんにせよでこいつまで運動だなんだと言い出してはたまらないので助け船を出してやった。
「そこまで言うなら考えても良いが、馬鹿のように辺りを走ったり体操をしたりなんてのはごめんだ。何か案があるんだろうね」
「無論」
ネクタイ男は無闇に自信満々で言い放った。
「カバディです」
「…」
「体力、戦略の双方を必要とし、なおかつ無心にカバディと唱えることでヨガにも近い心の安定が」
「家ダ…佐藤」
「はい」
「根本的なところで質問がある」
「何でしょう」
「カバディは7対7、少人数でやるにしても5対5程度、計10名の競技者が必要だ」
「あ」
「…どう工面する気なんだい、と思ったが工面する気がなかったようだね」
「くっ」
「そもそも体格差が大きい者たち向きの競技じゃあないだろう。提案するならもう少しまともに考えてくることだね」
出口を指差せば阿吽の呼吸で蛙男がヤモリ候補を追い返しにかかる。
「とんだ時間の浪費だ」
意気消沈して母屋に戻る家庭教師を視界の端に見送って、邪魔の入った魔導書の解読を再開した。
まあ、12使徒が集まったら彼らと自分と、足りない分は父親でも入れてレクリエーションも良いかもしれない。
地上の楽園を築く途上の、ちょっとした気分転換にはなるだろう。
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